日本の神さま④

日々の生活に於いて、皆さんは火の重要性を考えた事はありますか?

今でこそガスや電気が普及し、火を見る機会と言うのは昔に比べたら少なくなったかもしれません。私も火を身近に感じると言う事はあまりなくなりました

しかし、人間の歴史は火によって劇的に変化しました

寒さを凌ぐために枯れ木を燃やし暖をとり、生では食べられないモノを食べられる様にする為に煮炊きをしました。火の歴史は縄文時代を遡るとも言われています

火は夜を照らす光源となり、煮炊きする為の熱源となりました。暗闇に光を齎し今まで食べられなかったモノを食べられる様にする=物事を良い方向へと変化させる火は、人間の力では及ばぬ神秘の力でしたので、敬うべき対象になったのです

もちろん良い所だけではなく、火の取り扱いを誤れば火事が起き、火傷をし、下手をすれば死に至ります。火事や火傷が起きるのは火の神さまの怒りだと考えられ、それを鎮める為にお祀りしたり捧げ物をしたりして、畏怖の念を示しその力を良い方向に使って頂ける様に祈りました

昔ながらの家は、囲炉裏があり、竈がありました。身近にあるからこそ、私たちの祖先は火に関わる神さまを大切にお祀りしました

また、竈から煙が立ち上る事は、家が栄えているしるしとも言われ、竈の神さまは火の神さまであると共に家の神さまとしての性格も持っています

おそらく、まだ食糧事情が良くなった時代は、頻繁に食物を煮炊きする事は珍しかったのではないでしょうか。日本は年貢制と言って近代まで作物や海産物などを今で言う税金と言う形で納めていました。竈の火が良く立ち上る=お金持ち、と言う考えが浸透しても珍しくはありません

現在でも、竈はガスコンロやIHヒーターに変わりましたが、台所に御札や幣束をお祀りすると言う信仰が各地で残っています(大)

 

 

 

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