日本の神さま③

水にまつわる神さまを水神と言いますが、一口に水神と言っても様々な信仰が存在しています

例えば飲料水などを汲む井戸にお祀りする神さまは井戸神と言いますし、流れる川には川の神さまがお祀りされます

水神は蛇や龍、河童などに姿を変えて時折人前に姿を現すとの伝承も各地で残っていますし、前述した存在が水神の使いだとされる場合もあります

水を司る神さまの御姿で蛇や龍が多いのには諸説ありますが、田圃をウネウネと泳ぐ蛇に畏敬して祀ったとも、大陸から渡って来た仏教の経典に影響されたとも言われています

龍の発祥は中国であり、その姿は角は鹿、頭は駱駝、眼は鬼或いは兎、身体は蛇、腹は蜃(しん)と言う巨大な蛤の様なモノ、背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛に似ていると言われていますが、中国で仏教が流行った折に蛇神或いは水神であるナーガが経典の中で竜王などと訳され、それが段々と習合されていきました

水神さま=竜、を怒らせると旱魃が、お祀りすると雨を齎すと言う由来はこのナーガと言うインドの神さまの影響が強いようです

また海を司る神さまを海神、ワタツミの神などと言います

海の恵みを齎し、海難から人々を守ってくれる神さまと崇められています

亀や魚や貝など、海の中の生き物は海神の使者であると考えられており、それを助けた為に海の底の宮殿へ行く事が出来たと言う説話を聞いた事がある人も多いのではないでしょうか

 

ここからは余談となりますが、浦島太郎の結末には諸説あります。現在良く知られている竜宮城へ行き、地上に帰って玉手箱を開けたら年老いてしまった、と言うのは室町時代に成立した『御伽草紙』による所が多いようです

原型と思われる話は『日本書紀』にあり、簡単に訳すと「船に乗って釣りをしていると亀が釣れました。その亀は女に化けたので夫婦になり一緒に海に入りました。すると蓬莱山(仙人が住むとされる山)に着いて、歴史を見守る仙人となりました」と言うお話です

より古い信仰ほど海と山の繋がりを強く感じさせる気がします(大)

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