御田植神事

先日百笑会さんの依頼で、百笑会さんが皇室献上される粟の御田植神事を行ってまいりました。

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関係者参列のもと、神事を執り行い献上される粟の順調な生育と百笑会様の発展など現地で祈願してまいりました。当日は早朝雨が振り、神事の執行も危ぶまれるような天候でしたが、時間近くなるにつれ雨が上がり、時折晴れ間も除く晴天でした。

御田植神事(御田植祭)は神功皇后が神饌田(おみた)を作らせた際に行われたのが始まりだといわれています。一年の間に力強く成長する苗には、強力な穀霊が宿るものと古代では考えられていました。また田植えに際して音楽を奏で、歌をうたい踊りや舞を演じるなど、田や植付する苗に宿る穀物の力を増やすためです。穀物が豊かに育ち、稲穂が十分に実る秋を迎えるための儀式として、今でも行われています。

また神道を語る上で五穀(ごこく・いつくさのたなつもの 稲・麦・粟・豆・稗または黍など諸説あり)、特に稲とは切り離せない関係にあります。 日本は長い間農業国であり、米作りが国の成り立ちと深い関わりがあり、神社で行われる祭祀でも、祈年祭(きねんさい・としごいのまつり)が毎年2月17日に行われ、穀物の豊穣や国の安泰を祈念し、また新嘗祭(にいなめさい)が11月23日に行われ、豊かに稔った新穀を神前にお供えし神様の恵みに感謝にしていました。11月23日は「勤労感謝の日」として国民の祝日に定められていますが、もともとは新嘗祭から来るものであって「勤労」を感謝する日などではないですよ!そして初物は必ず神様にお供えしてからいただくのが本義です。便利な世の中にあって、便利なことが当たり前になると感謝する心を忘れがちですが、昨今の電気節約など便利さが損なわれる経験 の中で、恵みを享受できることに感謝する心が芽生えれば、と思います。

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祭典後、粟を早速苗づけしました。私も少しばかり手伝わせていただき貴重な体験をさせていただきました。見渡すと辺り一面の畑と青い空。雨の後の涼しく抜ける風。気持ちのよい一日でした。順調に生育された粟が稔り献上されますこと願っています。(桃)

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